当センターは、脊椎(背骨)の病気やけがに対する手術治療を主に行う科です。
近隣の医療機関との密な連携を図っています。
当センターで治療が難しい患者さんは、獨協医科大学整形外科や獨協医科大学埼玉医療センター整形外科から医師を招聘して手術を行ったり、大学病院へご紹介したりすることもあります。
※当センターは、獨協医科大学整形外科、獨協医科大学埼玉医療センター(旧:獨協医科大学越谷病院)整形外科の関連施設です。
入院については、整形外科(関節外科)と一緒の病棟(4階西病棟)で、35床です。
状況に応じて、他病棟に入院となる場合もあります。
原則として、入院期間は4週間以内で、自宅へ退院することを目指します。自宅退院が困難な場合はリハビリ病院や療養病院への転院、療養施設への入所となります。
骨粗鬆症は平均寿命の延長とともに増加しています。全国平均よりも高齢化が進行している幸手市では、要支援・要介護となる原因の第1位がすでに骨折です。骨粗鬆症による骨折は生活の質(QOL)を悪化させ、寿命も短くします。骨粗鬆症自体は自覚症状がないことから、女性では60歳を過ぎたら骨粗鬆症検査を受けて早期発見、早期治療することが骨折予防からも重要です。当センターでは最新式の全身骨密度測定装置を持っており、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2015年版)」に基づいて適切な診断、診療を行っています。
ロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器症候群)は、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりになってしまったり、そのリスクの高い状態です。当センターは主に骨粗鬆症外来通院中の方にリハビリ科と共同でロコモの評価とその体操指導をおこなっております。
※症状から病名を探す場合は、公益社団法人 日本整形外科学会のHPをご参考ください。
治療例)76歳女性
腰痛、右下肢痛および両下肢しびれが強くなってきて歩行が困難になってきました。腰椎変性すべり症による腰部の脊柱管内の神経が圧迫されていることが原因でした。保存的加療に効果がなかったため、神経除圧および後方椎体間固定術をおこないました。術後は下肢のしびれは少しありますが、下肢痛はなくなり、歩行が楽にできるようになりました。
頚髄症を伴う患者さんは、手足のしびれや不自由さ、ふらつきを自覚します。特に難病である後縦靭帯骨化症が原因の方では、脊椎の不安定性が神経の状況を悪くすることがあり、神経の除圧に固定術を併用する手術加療が必要になることがあります。
治療例)50歳男性
両手のしびれと箸がもちにくくなり、徐々にふらつきが出現し、歩行が困難になってきました。靭帯が骨化したために頸の神経が圧迫されたことが原因でした。手術で神経の圧迫を解除し、頸椎を固定しました。回復期リハビリ病院に転院してリハビリをおこない、歩行ができるようになりました。
XLIF(Extreme Lateral Interbody Fusion)を使用した低侵襲前方脊椎手術
脊椎手術用ナビゲーションシステム(Stealth Station)
術中3D CT(computed tomograpy)
術中脊髄モニタリングシステム
手術用顕微鏡を使用した「低侵襲椎間板ヘルニア摘出術」
脊椎内視鏡を使用した「低侵襲椎間板ヘルニア摘出術」(MED)
化膿性脊椎炎における経皮的内視鏡下脊椎手術など
日本整形外科学会専門医制度研修施設
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医基幹研修施設
椎間板酵素注入療法(ヘルニコア治療)実施可能施設
連携医療機関はこちらをご覧ください。
顧問
浅野 聡 アサノ サトシ
北海道大学出身(1982年卒)
医学博士
日本専門医機構 整形外科専門医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医、リウマチ医、
運動器リハビリテーション医
日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科名誉指導医
日本骨粗鬆症学会 認定医
厚生労働省義肢装具等適合判定医師
身体障害福祉法指定医師(肢体不自由)
獨協医科大学 臨床教授
日本骨粗鬆症学会 評議員
日本脊髄障害医学会 評議員
日本腰痛学会 評議員
平成元年 | 北海道大学助手(医学部付属病院) |
1994年 | 釧路労災病院 整形外科部長 |
1996年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療セン ター)整形外科講師 |
2001年 | 米国 トマス・ジェファーソン大学整形外科留学 |
2002年 | スイス シュルテスクリニック整形外科留学 |
2003年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科助教授 |
2005年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター長 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科助教授併任 |
2008年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科非常勤講師 |
2011年 | 獨協医科大学 臨床教授 |
2012年 | 東埼玉総合病院 副病院長 |
埼玉脊椎脊髄病センター センター長
中村 豊 ナカムラ ユタカ
獨協医科大学出身(1996年卒)
医学博士
日本専門医機構 整形外科専門医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医、リウマチ医、運動器リハビリテーション医
日本脊椎脊髄病学会 専門医、脊椎脊髄外科指導医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医
厚生労働省義肢装具等適合判定医師
身体障害福祉法指定医師(肢体不自由)
医学博士
獨協医科大学埼玉医療センター(旧:獨協医科大学越谷病院)整形外科 非常勤講師
日本脊椎脊髄病学会 評議員
日本脊椎インストゥルメンテーション学会 評議員
日本脊髄機能診断学会 代議員
埼玉整形外科勤務医会 幹事
国際側彎症学会 (Scoliosis Research Society)会員 (active member)
1996年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科 |
2009年 | 厚生連幸手総合病院 整形外科医長 |
2010年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科講師 スイス シュルテスクリニック脊椎外科留学 米国 ワシントン大学セントルイス校脊椎外科センター留学 |
2011年 | 流山中央病院 整形外科部長 |
2012年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター |
2013年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター 副センター長 |
2015年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター センター長 |
2017年 | 獨協医科大学埼玉医療センター非常勤講師 |
埼玉脊椎脊髄病センター 医長
金井 優宜 カナイ マサヨシ
日本医科大学出身(2006年卒)
日本専門医機構 整形外科専門医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医 運動器リハビリテーション医 スポーツ医
日本骨粗鬆症学会 認定医
身体障害福祉法指定医師(肢体不自由)
2008年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科 |
2009年 | 東埼玉総合病院 整形外科 |
2011年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター |
2016年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター 医長 |
2021年 | 東埼玉総合病院 診療科部長代理 |
北村 類 キタムラ ルイ
旭川医科大学出身(2006年卒)
日本整形外科学会 専門医、リウマチ医、
運動器リハビリテーション医、スポーツ医
ICLS認定インストラクター
2006年 | 埼玉協同病院 整形外科 |
2020年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター |
非常勤医師
峯 研 ミネ ケン
獨協医科大学出身(2000年卒)
日本専門医機構 整形外科専門医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医、運動器リハビリテーション医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科指導医
日本骨粗鬆症学会 認定医
身体障害福祉法指定医師(肢体不自由)
2000年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科 |
2011年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター |
2012年 | 久喜総合病院 整形外科 |
2013年 | 流山中央病院 整形外科 |
2014年 | 獨協医科大学越谷病院(現:獨協医科大学埼玉医療センター)整形外科 |
2017年 | 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター 医長(2017年7月末まで) |
※過去5年間、前方+後方同時手術は総数以外では分離してカウント
手術実績 | 2019年 | 2020年 ※ | 2021年 ※ | 2022年 ※ | 2023年 |
手術総数 | 133 | 122 | 124 | 119 | 109 |
頸椎椎弓形成術 | 16 | 22 | 14 | 12 | 8 |
頸椎後方固定術 | 9 | 8 | 4 | 5 | 2 |
頸椎前方除圧・固定術 人工椎間板置換術 |
4 | 2 | 4 | 5 | 3 |
胸椎後方除圧・固定術 | 3 | 3 | 6 | 4 | 6 |
胸椎前方固定術 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
腰椎椎間板ヘルニア摘出術 | 16 | 20 | 21 | 26 | 10 |
腰椎椎弓形成術 | 28 | 17 | 26 | 20 | 30 |
腰椎後側方固定術 | 6 | 5 | 6 | 7 | 5 |
腰椎椎体間固定術 | 21 | 23 | 26 | 13 | 17 |
腰椎前方除圧・固定術 | 6 | 4 | 3 | 3 | 1 |
脊柱後側弯症手術 | 9 | 8 | 4 | 3 | 1 |
脊柱管内腫瘍摘出術 | 2 | 1 | 0 | 1 | 2 |
その他 | 13 | 9 | 9 | 20 | 22 |
*新型コロナウィルス感染症の影響あり
浅野 聡, 中村 豊, 田島 幹大, 金井 優宜
Osteoporosis Japan(0919-6307)21巻3号 Page485-489, 2013.07.
田島 幹大, 浅野 聡, 中村 豊, 反町 毅, 金井 優宜, 助川 卓也:
Journal of Spine Research(1884-7137)4巻10号 Page1546-1550, 2013.10.
田島 幹大, 浅野 聡, 中村 豊, 金井 優宜, 土生 康之
Journal of Spine Research5巻6号 Page897-900,2014.06.
浅野 聡, 金井 優宜, 中村 豊, 田島 幹大
Osteoporosis Japan22巻3号 Page469-472,2014.07.
浅野 聡、金井 優宜、中村 豊、田島 幹大
Osteoporosis Japan 23巻2号 Page180-185, 2015.
中村豊, 浅野聡, 田島幹大, 金井優宜, 田村孝典, 田中早津季, 成田琴音, 脇田真菜美, 山田順一,
Journal of Spine Research第2巻, 173-178 2016.
中村 豊, 浅野 聡, 田島 幹大, 金井 優宜, 田村 孝典, 田中 早津季, 成田 琴音, 脇田 真菜美, 山田 順一:
Journal of Spine Research第7巻,. 1442-1446 2016
中村 豊, 金井 優宜, 藤井 達也, 田島 幹大, 浅野 聡
Journal of Spine Research (1884-7137)8巻11号 Page1747-1750(2017.11)
藤井達也、中村豊、浅野聡、田島幹太、金井優宣、大関覚
The Journal of Japan Osteoporosis Society Vol.4 No.4 (523)85-(529)91 2018
中村豊、金井優宜、藤井達也、浅野聡
Journal of Spine Research Vol.10 No11 2019 1539-1544, 2019
旭竜馬、藤田博暁、浅野聡、加茂智彦、石橋英明
日本骨粗鬆症学会雑誌6巻3号P392-395 2020
Nakamura Y, Yutaka Machida, Hiroki Hanawa, Masayoshi Kanai, Satoshi Asano
Spine Surg Relat Res Feb 28;3(4):348-353 2019
Ryoma Asahi, Yutaka Nakamura, Masayoshi Kanai, Kento Watanabe, Satoshi Yuguchi, Tomohiko Kamo, Masato Azami, Hirofumi Ogihara, Satoshi Asano
J Bone Miner Metab Sep;39(5):883-892. 2021
R Asahi, Y Nakamura, M Kanai, K Watanabe, S Yuguchi, T Kamo, M Azami, H Ogihara, S Asano
Osteoporos Int. 2022 Jun;33(6):1275-1284.
Ryoma Asahi , Yutaka Nakamura , Yoshinao Koike , Masayoshi Kanai , Kento Watanabe , Satoshi Yuguchi , Tomohiko Kamo , Masato Azami , Hirofumi Ogihara , Satoshi Asano
Mod Rheumatol. 2022 Aug 27; roac101.
Ryoma Asahi , Yutaka Nakamura , Yoshinao Koike , Masayoshi Kanai , Satoshi Yuguchi , Tomohiko Kamo , Masato Azami , Hirofumi Ogihara , Satoshi Asano
Eur Spine J 2023 Apr;32(4):1446-1454.
中外医学社 竹下克志
CHAPER 3「脆弱性椎体骨折」P52-53 中村豊
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